パシュミナのデザイン種類の紹介
薄くて暖かいパシュミナ。
パシュミナといっても、さまざまなデザインがあります。
今回は、パシュミナにはどのようなデザインの種類があるのか、ご紹介していきます。
パシュミナのデザイン種類の紹介
1枚のパシュミナを完成させるには、気が遠くなるような手間と時間がかかります。
ラダックの遊牧民から入手したパシュミナの原毛を紡ぐことから始まり、パシュミナ素地を手織り機で織っていくのです。
パシュミナは、繊維がとても細く弱いため、今でも機械は使えず手織りで作成します。
その後、草木染めによる手染めで独特の風合いと色をつけるのです。
木版は、それぞれの工房が門外不出として家族だけに伝えられてきたデザインとなっています。
その次に刺繍の職人に渡り、作業します。
これが驚きで…
非常に細かい刺繍となるので、目を保護するために電灯の下では作業せず、陽の明かりの入る窓辺に座り【陽が入る時間のみ】一日約5時間ほどの作業しかできないのです。
そう考えると、あの素晴らしい刺繍ができるまでにどれほどの時間がかかるのか…
考えただけでも感動ものです。
また、刺繍のデザインも各工房、職人の熟年度によってさまざまなタイプのものがあります。
Jamawar ジャマワール
パシュミナの素地が見えなくなるほど、細かい刺繍を全体にほどこしたショールのことをジャマワールと呼びます。
さまざまな色のシルク糸を重ねながら、熟練した職人さんが一人で仕上げるのです。
制作に2年以上もかかるショールもあり、まさにカシミール刺繍の最高峰ともいえる芸術作品となっています。
Kalamkari カラムカリ
パシュミナ素地に手作業でデザインをペイントで描いていき、その後、細かい刺繍をほどこしていくショールです。こちらは他の刺繍と違い複数人の職人が、細針を使い作業をしていきます。
デザインも豊富で、非常に色がはっきりとしていて美しく鮮明で華やかなショールとなっています。
Jaali ジャリ
全体に網の目のように草花柄やペイズリー柄などの刺繍がされたものをジャリと呼びます。
パシュミナ本来の軽さや風合いをそのままに、カシミール刺繍の特徴でもある流れるような美しいデザインを楽しむことができるのです。
Border ボーダー
パシュミナの四方を囲む細い縁取り刺繍をした、Hashidar(ハッシュダ)と両端に大きく刺繍をするNeemdour(ニームダ)の2種類あります。
シンプルなデザインなのですが、職人さんが高度な技術を競い合うようにさまざまな刺繍があるのです。刺繍の裏表がわからないほどのものや写真のように表と裏の刺繍を変えてしまう超絶技巧の持ち主もおります。一番すごいのは裏に刺繍跡が出ない技術を持った熟練職人が工房におりました。残念ながら数年前に亡くなってしまい、後に続く職人のためにマスターピースが残されています。こちらは今だに誰もマネができておりません。
Kani カニ
カニとは、綴れ織り(つづれおり)に使う糸を巻き付けた特殊なシャトルのことです。
刺繍技術が発達する以前から、カシミールに伝わる独特の技法となっています。ナポレオンがジョセフィーヌ妃に送ったものがカニと言われています。
今も昔ながらの手織り機で、何色もの緯糸を駆使して、1〜2年の年月をかけて制作しているのです。
Plain プレーン
刺繍をほどこしていない、パシュミナ生地だけのものをプレーンと呼びます。
パシュミナ本来の透けるような軽さと柔らかさを存分に感じられるものです。
さまざまな色があり、オシャレなアイテムとしても重宝します。化学染料を一切使わない天然素材で染め上げています。
パシュミナのデザイン種類の紹介まとめ
パシュミナには、さまざまなデザインがあり、職人さんによっていろいろな種類があるのがわかりますね。
パシュミナは、小さく丸められるので、バッグに入れて、寒い時にサッと首に巻くと、非常に暖かいのでとても重宝します。
ぜひ、素晴らしいデザインのパシュミナを体感してください。