価値のあるパシュミナ
パシュミナは一般的なカシミヤ製品よりも細く繊細で希少価値の高いものですが、残念ながら日本では家庭用品品質表示法上、パシュミナという繊維が登録されておりませんので「カシミヤ」という表記になります。
約500年ほど以上前(紀元15世紀)にペルシャから来た700人の職人によりパシュミナ毛織技術が伝えられたのが始まりと言われております。
ナポレオンが遠征後に持ち帰ったカシミールショールがヨーロッパ上流階級の婦人間で人気を博したことで広く広まり、草花文やペイズリーなどの美しいデザインを綿密で高度な刺繍技術で施したカシミールショールは現在でもインド、ヨーロッパでは非常に有名です。ハリウッドスターやセレブの間ではパシュミナは襟元のアイテムとして定着をしています。
ADRIANA EPOCAでは、先祖代々パシュミナ工房を営むカシミール人パートナーと直接提携をして協業をしております。高い刺繍技術を持つ職人が年々減っていく中で、本工房では100人以上の熟練職人(それぞれが家内産業の形で継承しています)を抱え、今に伝統を伝えています。ADRIANA自らが現地に赴き、最高級の本物を目利きし日本の皆様にお届けしています。
伝統的な究極の手仕事
インド北部のカシミールは、ヒマラヤの大自然に囲まれた風光明媚で美しい場所です。標高4000mを超える高地に生息するカシミヤ山羊から採取された柔毛(産毛)は、カシミールの州都であるシュリナガールの工房に運ばれ、糸に紡がれ、機織、草木染め、木版、刺繍もしくは綴織と全ての工程を伝統的な手仕事にて行い、長い時間をかけて芸術的な商品へと変貌していきます。
全て手作業による制作工程
インド北部にある旧ジャンムー・カシミール州東部の地方ラダックにて大切に放牧飼育されているカシミヤ山羊から柔毛のみを年に二回に採取します。 | ![]() |
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採取された柔毛は、カシミールの州都であるシュリナガールの工房に運ばれます。繊細な柔毛を糸車で丁寧に紡いでいきます。 |
紡いだパシュミナの糸を昔ながらの機織り機で織っていきます。 | ![]() |
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できあがったパシュミナ生地を草木染めにより様々な色鮮やかに染め上げていきます。この段階で出来上がるものが刺繍なしのパシュミナ素地100%のショール・ストールで、現地では「プレーン」と呼ばれます。 |
それぞれの家庭が代々継承する伝統的なデザインが施された版木を使い木版印刷をしていきます。制作するショール・ストールの種類により版木が違います。 |
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木版印刷されたものに、高度な刺繍技術を持つ熟練職人が一人で数ヶ月から長いもので2年ほど作業をし制作します。刺繍糸は全てシルク糸です。色合いもデザインも完全に同じものができないため、芸術的な一点物となります。 |
最後にヒマラヤから流れる川の水で洗浄し天日干しをして製品が完成します。 | ![]() |
パシュミナの種類
ジャマワール | カラムカリ |
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パシュミナの素地が見えなくなるほど細かい刺繍を全体に施したものをジャマワールと呼びます。様々な色の糸を重ねながら、熟練職人が一人で仕上げていきます。制作に二年以上かかるものもあり、まさにカシミール刺繍の最高峰の芸術作品といえます。 |
パシュミナの素地に手作業でデザインを描いていき、その後に、細針を使い複数人で細かい刺繍を施していきます。デザインも豊富で非常に鮮やかで華やかなショールです。 |
ブッティ | カニ |
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このショールはボーダー刺繍とショール全体に花模様を点在させるブッティという刺繍デザインを組み合わせた当社提携工房独自のデザインです。非常に高度な刺繍技術がおわかりになると思います。 |
カニとは綴織(つづれおり)に使う糸を巻きつけた特殊なシャトルのことです。刺繍技術が発達する以前からカシミールに伝わる独特の技法です。今も昔ながらの手織り機で何色もの緯糸を駆使し1ー2年の長い時間をかけて制作しています。 |
ジャリ | ボーダー |
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全体に網の目のように花柄やペイズリー柄などが刺繍されたものをジャリと呼びます。パシュミナ本来の軽さや風合いそのままに、カシミール刺繍の特徴である流れるような美しいデザインを楽しんで頂けます。 |
パシュミナの四方を囲む細い縁どり刺繍をしたものをハッシュダHashidar、両端に大きく刺繍をするニームダNeemdourと呼びます。 刺繍の範囲は狭いですが、その中に職人の高度な技術を競い合うように様々な技法で刺繍が施されています。 |
モダン | プレーン |
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当社提携工房オリジナルデザインです。こちらのタイプは、異なるジャリショールを細かい刺繍にて繋ぎ合わせてモダンで新しいショールに生まれ変わらせたものです。 |
刺繍を施していないパシュミナ生地だけのものをプレーンと呼びます。パシュミナ本来の透けるような軽さと柔らかさを存分に感じていただけます。非常に豊富な色があります。他のパシュミナと同じく化学染料は一才使われておりません。 |
本物の証
残念ながらパシュミナと言われて世の中で大量に出回っている商品には多くの偽物が含まれています。日本では家庭用品品質表示法上、パシュミナという繊維が登録されていないことも原因の一つになっています。つまりカシミヤ山羊の毛ではない、似た化繊や羊毛と混ぜたものを「パシュミナ」として販売しているケースが非常に多いです。そのため、当店で取り扱うパシュミナは、日本の公的な獣毛認定機関であるケケン試験認証センターにてカシミヤ100%である証明書を取得しております。
なお、当店では、お客様のご希望を伺っての受注生産およびブティックや小売店様への卸販売も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。