カシミヤに毛玉ができる原因
カシミヤ製品は、どんなに気をつけていても毛玉となってしまいます。
大切にしていたのに毛玉ができてしまったら、ガッカリですよね。
そこで、なぜカシミヤに毛玉ができてしまうのか、原因についてご紹介していきます。
カシミヤに毛玉ができる原因とは?
●摩擦と静電気
毛玉ができる原因は、摩擦と絡まるの2つあります。
毛玉が出来た状態とは、糸に織りこまれていない部分(毛足)の繊維同士が絡まって、玉になってしまっている状態です。
毛玉ができる元となることをピル核と呼ばれていますが、そのきっかけとなる多くが異物や静電気によるものとなります。
異物とは、目でみて目立つものだけではなく他の繊維の切れたものや空気中に舞っているほこりのように付着することでもピル核の原因になるのです。
冬場に発生する静電気も繊維同士をくっつけるので、それが原因で絡まり始めることもあります。
●湿気と熱
湿気と熱も大きなポイントです。
常温で摩擦した場合、だんだんとピルが成長するのに対して、湿気や水を与えると急激にピルが成長してそこに体温以上の熱が加わることにより、さらにピリングの速度が速まります。
カシミヤには、人間の髪と同じくキューティクルがあるのですが、このキューティクルは、熱と湿気が加わると開くのです。
人の髪が湿気で広がったり、熱で傷んだりするのと同じように、熱が加わることでカシミヤの繊維が傷み、毛足が外に出てしまうことにより絡まりやすくなります。
●素材による毛玉のできやすさ
業界では一般に毛検と呼ばれている第三者機関の毛製品検査協会でピリング試験を行っています。
その際は、コルク張りの箱の中で複数の編み地を入れて5時間擦り合わせることで、どのくらい起毛をして毛玉ができるかを、1級から5級までを判定しているのです。
天然のウールは、繊維自体がカールをしていてくるくると丸まりやすいという性質を持っています。
このクリンプがあるので、糸を紡ぐときはきつく撚りをかけなくても引っ張りに強いふんわりとした糸ができるのです。
自らくるくる丸まって、空気を抱え込み保温性を高めることにより、外気から身を守る重要な役目となっています。
このクリンプは、動物によって特徴があり毛玉になりやすい種類となりにくい種類があるのです。
よく使用されている獣毛の中でも毛玉になりやすい順番は、
アンゴラ→ラム→カシミヤ→キャメル→モヘヤ→アルパカ
となっています。
これは繊維の特性によるもので、製品の作り方や着用の仕方によってかなり変わってくるのです。
獣毛の中では、アンゴラが一番毛玉になりやすく、アルパカが比較的なりにくく、カシミヤはその中間くらいとなっています。
カシミヤに毛玉ができる原因まとめ
カシミヤに毛玉ができる原因をご紹介しました。
毛玉ができるメカニズムを知って、気をつけて着用すれば毛玉が出来にくく気持ちよく着れるでしょう。
ぜひ、試してみてください。