パシュミナショール・ストールの刺繍の魅力
皆さん、”パシュミナ”をご存知ですか?
今でこそ一般的な名称のパシュミナですが、日本の品質表示法ではパシュミナをカシミヤと表記しているので、この単語を目にすることは稀だったのではないでしょうか。
パシュミナというのは素材の種類ですが、薄手のストール全般をパシュミナと言っても法的には問題ない為誤表記れていることも…
本物のパシュミナは、ヒマラヤ山脈に生息しているカシミヤ山羊の毛で
中でも冬の間にだけ生える特に柔らかくて細い毛でとても希少な繊維なのです。
パシュミナとカシミヤの違い
一般的なカシミヤのストールにはカシミヤ山羊の毛を濡れた状態で揉んで、フェルト化させて繊維を密にするための加工をした物を使用しています。
一方パシュミナは、カシミヤ繊維を糸に紡いで織りあげているので生地が非常に薄く、光沢感も高いという特徴があります。
どちらも同じカシミヤ山羊の毛を使用していて、元々高級なカシミヤ生地。
しかし、使用している毛の種類や加工方法が違うのでカシミヤ生地の上位互換なのがパシュミナとなります。
裁縫の魅力
刺繍は同じ図柄でも糸やステッチを変える事でまったく違う仕上がりになり個性を出すことができるのです。
簡単にできる小さなワンポイントから、時間のかかる立派な物まで種類も豊富。
刺繍があるのとないのとでは生地の暖かみ等も格段に違うので刺繍のある商品が人気なのです。
安価で短時間から始められるという点で趣味としても人気があります。
昔と違い、今では手縫いだけでなくミシンで簡単に刺繍を施す事も可能です。
刺繍方法の違い
(機械刺繍・手刺繍)
刺繍のストールを購入する際、手刺繍か機械刺繍か見分けがつかないかと思います。
せっかく購入するなら高品質な手刺繍がいいですよね。
見分け方として、まずは生地の裏面を確認してみてください。
機械刺繍の場合は裏の刺繍糸が綺麗に処理されている事が殆どです。
裏の刺繍糸が綺麗なため、見栄えで言えば機械刺繍の方が良いという方もいらっしゃるかもしれません。
一方、手刺繍は刺繍糸が処理しきれずふくらみがあります。
しかしこの凹凸が刺繍の暖か味を出してくれてぐっと魅力があがるのです。
さらに”高品質のパシュミナの手刺繍は裏表同じデザインに見える”という点についても着目していただきたいポイント。
機械刺繍は勿論機械なので裏表のデザインは同じですが、手刺繍でこれが出来るという事は無論、高品質という事です。
写真は、当店提携工房の超絶技術を持つベテラン職人による作品ですが、裏面との違いが殆どなく、刺繍糸にふくらみがあり最高級の刺繍ということになります。他には表裏でデザインが違う素晴らしい作品もあります。
そして、私が見た最高技術のパシュミナ刺繍は、こちらの裏面に刺繍跡がなく、デザインも変えているものです。こちらは制作できる職人が3年前に残念ながら亡くなってしまい、未だ再現できる職人がおらず大変貴重なマスターピースとなっており販売できません。
まとめ
品質の高い刺繍アイテムはやはり高価になりますが、その分同じアイテムを使っていたとしても周りとの差を付ける事ができます。
パシュミナショール・ストールを手に入れる際には生地の裏面を見て確認して購入してみてください。
カシミールに伝わるパシュミナ刺繍は歴史ある伝統的なものです。
それ故の魅力と高い芸術性を感じて頂ければと思います。